長時間労働を強いるブラック企業が社会問題になったことから、就活生たちは少しでもブラック企業を回避するために、企業情報を徹底してリサーチするようになりました。
従業員が働きやすい労働環境が整っており、待遇面や福利厚生なども充実しているホワイト企業への入社を望む就活生は増えています。
大手企業への就職を望む就活生も多いですが、大手企業だからホワイト企業、中小企業だからブラック企業とは限りません。
そこで今回はホワイト企業の特徴や、人気の高いホワイト企業についてまとめてみましたので、就活の際に参考にしてみてください。
ホワイト企業とは?
ホワイト企業とは一般的に、社員への待遇面や福利厚生、労働環境が整っており社員の離職率が低い会社であると認識されています。
ブラック企業の対義語として利用されることが多いです。
残業時間が多く有給は取得できない、給与は低水準なブラック企業に対し、残業は少なく有給も自分の都合で取得できる、給与水準も高いなど、社員にとってメリットが多く働きやすい会社はホワイト企業と呼ばれています。
社員に対しての支援制度が充実している、育児休暇や産前・産後休暇、介護休暇、家族の誕生日、命日などの特別休暇が充実している、短時間勤務やフレックス勤務制度など働き方を自由に選べるなど働きやすい環境が整っています。
弊財団では、ホワイト企業=ブラック企業の逆ではなく、ホワイト企業の定義として下記の3つの定義を設けています。
- 人口動態に左右されづらい適正な利益構造を持っていること
- 顧客満足度・競業優位性が高い企業であること
- 多様な労働者が活躍できる環境・満足度が保全されていること
詳しくは後日公開予定の「ホワイト企業認定とは?」の記事をご覧ください。
ホワイト企業の特徴
弊財団では、ホワイト企業の特徴は、下記の6つのポイントを抑えているかだと考えています。
- 法令遵守
- ビジネスモデル/生産性
- ワーク・ライフバランス/健康経営
- 柔軟な働き方
- D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)
- 人材育成/働きがい
の上記の高いレベルで兼ね備えている企業がホワイト企業と呼ばれるにふさわしいといえるでしょう。
詳しくは、「ホワイト企業の特徴とは?ここだけはおさえたい6つのポイント。」をご覧ください。
人気のホワイト企業4例
待遇面や労働環境が整っているホワイト企業は社員の定着率も高く、就活生からはあこがれの就職先となっています。
ここで代表的なホワイト企業をいくつかピックアップして、その特徴についてご紹介します。
ゴルフダイジェストオンライン
ゴルフ用品販売やオンラインメディア運営、インターネットメディアを中心とした事業を展開しているゴルフダイジェストオンライン。
日本で最大級のゴルフショップポータルサイトとして、ゴルフショップやゴルフ場の予約、ゴルフニュースなど、ゴルフに関わるあらゆるサービスを総合的に展開している企業です。
ホワイト財団が行っているホワイト企業アワードにおいて、3年連続で受賞しているホワイト企業です。
ゴルフダイジェストオンラインでは、ホワイト化に向けてさまざまな取り組みを行っています。
- 社内でリフレッシュできるゴルフレンジが設置されています。
- ランチやミーティングなど、多目的に利用できるクラブハウスが整備されています。
- 社内でコミュニケーションを活性化できるよう、イベントが定期的に行われています。
- 休暇制度も充実しており、私傷病による休暇が年間10日、ゴルフに行くためのゴルフ休暇が年間4日、子どもの看護をするための休暇が1人につき年間5日用意されています。
- コアタイムと所定労働時間を短縮し、出勤時間を拡大することで、生産性を向上できる柔軟な働き方へと就業時間の見直しを行いました。
サカタ製作所
サカタ製作所は、空港ターミナルや展示会場などに使用される大規模な金属屋根を制作しており、金属屋根部品では国内でトップシェアを誇る企業です。
サカタ製作所も3年連続でホワイト企業アワードを受賞している、代表的なホワイト企業です。
1951年に設立した老舗企業で、長年の経験と実績、ノウハウにより、取引先からも厚い信頼を得ています。
- 社員が働きやすい職場づくり、社員にやさしい職場づくりを行うことで優秀な人材を確保しています。
- 業務の属人化を解消することで効率の向上を図っています。
- 社員が勤務時間内外を問わず、体を動かすことのできる運動の機会を作り、スポーツ活動なども積極的に行うことで、健康増進とコミュニケーション形成に取り組んでいます。
- 有給休暇の取得促進も積極的に行っており、有給以外にも従業員が自由に休みを決めることができる記念日休暇も設けています。
社是にも「教育に優る業務はなし」とあるように、サカタ製作所では社員の教育制度にも力を入れています。
- 新入社員合同研修や配属先部門におけるOJT、管理職研修や営業研修、製造課題解決研修など、社員ごとにさまざまな課題を設け、研修を実施しています。
- 社員の人材育成だけでなく、派遣社員やパート社員なども含めた全社員に人材育成標準テキストを配り、社会人の基礎知識を身につけてもらっています。
万協製薬
ホワイト企業アワードで「働きがい部門」を受賞した万協製薬は、1960年に神戸市長田区で設立した老舗の製薬会社です。
スキンケア製品の企画・開発・製造を主に行っています。
万協製薬が企業テーマとして掲げている目標は「社員が自宅に居るのと同じくらいくつろげる職場つくり」です。
万協製薬では従業員の自主性を重んじ、意見を積極的に取り入れることで、従業員が自律的に行動できる力を与えています。
万協製薬も離職率が高い時期が存在していましたが、現在は従業員同士がコミュニケーションを図れる制度を次々と実施し定着率のアップを図っています。
- 従業員にアンケートをとり、社内で相談できる人がいないという理由を突き詰め、違う部署をチーム化する「プチコミュニケーションファミリー」というものを作りました。
- 違う部署でコミュニケーションを図れるよう、食事会などの費用を企業側が支給することで、積極的にコミュニケーションの場が設けられるようになりました。
- 社員旅行も「プチコミュニケーションファミリー」のメンバーで行けるように配慮し、旅行プランをメンバーで提案してもらって許可が下りれば休暇と一人当たり10万円の補助金を出しています。
- 従業員のやる気と能力を引き出すために、社内で学習機会を設けて従業員同士の対話を促すことを重視しています。
浜学園
ホワイト企業アワードで「ダイバーシティ&インクルージョン」を受賞した浜学園は、1959年に創立した、中学受験を目的とする小学生向けの学習塾です。
関西を中心とした活動を行っていましたが、近年では首都圏や東海圏などにも進出し、難関中学の合格者を輩出しています。
- 最近は塾に通う運営スタイルだけではなく、Webで学ぶことのできるオンライン学習も展開しており、業務拡大を続けています。
一般的に学習塾というと若年層を雇用する傾向が強いですが、浜学園では多様な人材を受けいけるホワイト化を目指しています。
- 60歳以降のシニア層の積極採用を行っています。
人生経験を積んだシニア層を採用することで、若年層にはできない人生経験に基づいた生徒や保護者への対応が可能になりました。
多様な人材を確保することにより、相互に刺激を与え、モチベーションアップにつながっています。
まとめ
ホワイト企業についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ホワイト企業が就活生に支持される理由の一つは、社員を大切に扱ってくれることです。
会社の利益だけを追い求めるのではなく、社員にとって働きやすい環境を作ることで、お互いにプラス関係を築けるのではないでしょうか。
ここで紹介したホワイト企業のように、社員を大事にしてくれる会社を探してみてください。